アイドル……それは偶像?

高校生の時、倫理の授業で、「アイドル(idol)」の語源は「イドラ(偏見、先入観)」だと習った。

 

 

「アイドルは偶像という意味なのだ」と先生が言ったときの衝撃ったらなかった。ガツンと鈍器で殴られたみたいだった。

 

 

私が大好きで応援しているアイドルは、たしかに私と同じ時代に存在しているはずなのに、偶像だなんて。すごく突き放された感じがしたんだと思う。大好きなこと自体も否定されたような。悲しかった、たぶん「偶像」という言葉が。

 

 

「偶像」とは小学館の『デジタル大辞泉』によれば、

 

① 木・石・土・金属で作った像。

② 神仏をかたどった、信仰の対象となる像。

③ あこがれや崇拝の対象となるもの。「若者の―」

 

である。

高校の時から数年経って、私は「偶像」という言葉を、「あると信じてるけど、実際にはないもの」的な感じに受け取っている。

 

 でも偶像という意味のアイドルもファンの目がないところでは、現実を生きてる人間で、確かに存在するはずで。

私はアイドルに元気をもらったり、救われたりするけれど、じゃあその人たちに癒しを与えるのはだあれ?

って思ってしまうんだ。

その人たちのそばに、癒しの存在が、その人たちの救いの助けになるような存在が、あることを願ってやまない。

 

 

あの人の身近な世界がやさしくありますように。

 

 

 

でも、どこかの面がたとえ嘘や見せかけだとしても、その人の一部であることに変わりはなく。人間が一つの側面しか持ってないなんてことはないから。

全部受け止めきれるとは限らないけれど、それでもやさしくありたいと思ってしまう。

 

色眼鏡なしに生きられないなら、それを思う存分楽しめたらいい。